神田須田町 三金 改め 二灯菴

ある平日。

秋葉原で所用を済ませて、帰り道におひとり様ランチ。
八ツ手屋に行くつもりで歩いていて、懐かしい建物の前を通りすがった。

都心ながらそこだけ時が止まったような、神田須田町。
その一角で、ひときわ妖しいオーラを放っていたおでん屋「三金」。
幾度となく店の前を通りその鄙びた佇まいに惹かれていた。
ある日、ついに勇気を出して入ってみた。
がらんとしたお店の小上がりに老婆がひとり、ストーブに当たっていた。
こちらを見てニコッとしたその笑顔がなんともいえぬ妖しさで、一瞬たじろいだ。
他に誰もいない音もしない静かな店内にいると、異世界に入り込んだような気持ちがした。
老婆と二人きりでそこにいることがなんだか怖かった。

神田須田町一丁目 三金
2010/11/25のエントリー~路地の風景 神田須田町1丁目~より

・・・あの「三金」が、建物はそのままで、でもずいぶんと雰囲気の違うまったく別の店に変わっていた。
これは素通りするわけにいかない。
入店。
かつてのただならぬ空気感はすっかり消え、むしろ古民家レストラン的なお洒落な感じになっていた。
店を切り盛りしているのはもちろん、あの老婆ではなかった。

神田須田町一丁目 二灯菴

メニューにもおでんはなかった。
ただ、「お婆ちゃんから受け継いだ味」と書いてあって、ドキリとした。
「お婆ちゃんの豚の味噌漬け膳」900円をいただいた。
豚肉はボリュームたっぷりで味もなかなか、添えられたシャキシャキの野菜は有機野菜、ごはんは減農薬米だとかで。あのおでんとはずいぶん違うな、としみじみしつつお勘定。

神田須田町一丁目 二灯菴

念のため店の方にかつてのおでん屋の話をしてみた。
どうやらあの老婆とはなんの所縁もないようだった。
ホッとしたような、ちょっと寂しいような気分になりながら、店を辞した。

あの老婆はどうなってしまったのだろうか・・・

二灯菴(Retty)

2016/3/3 千代田区神田須田町1丁目

どちらかクリックお願いします! にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村 写真ブログ 建物・街写真へ にほんブログ村に参加しています
スポンサーサイト

テーマ : 街の風景
ジャンル : 写真

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

きさまのさ
きさまのさ

東京を歩いて歩いて、すてきな風景に出会えたらここで紹介しようとおもいます。

カテゴリ
タグ

町名看板 銭湯 看板建築 レトロ電信柱 レトロな床屋 京島 豆腐屋 お断りプレート スカイツリー 昭和な映画館 仁丹看板 庚申塚 町名看板(仁丹) 庚申塔 ミルクホール 庚申塔・道標 奈良 

コメント
トラックバック
新着
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別
アクセスカウンター
検索
RSS
リンク
ブロとも

この人とブロともになる

QRコード
QRコード